石灰とは?
石灰の原料
石灰岩は、炭酸カルシウム[CaCO3]を主成分とした堆積岩で、太古の石灰藻や珊瑚、貝殻、石灰質プランクトン等、 炭酸カルシウムで殻や骨格を構成する生物の屍骸が堆積・石化したものです。
石灰岩は工業資源としての価値が高く、古くから採掘されており、日本で唯一自給できる鉱産資源です。 高知県は世界有数の石灰の産地で、品質・有効埋蔵量 ともに世界一と言われています。
田中石灰工業では、県内で採掘された石灰岩を原料に生石灰・消石灰、および、それを原料とした製品を製造・販売しています。 石灰岩の品質は石灰岩を構成した生物の種類や、その生息環境、石化する過程で受けた圧力や熱、形成年代によって大きく左右されます。弊社が原料に使用している石灰岩は、約2億8千万年前の珊瑚礁が化石化したもので、純度が高いだけでなく、結晶化率が低いため焼成時に崩れにくい特性があります。 |
生石灰と消石灰
石灰には大別して2種類、生石灰(酸化カルシウム[CaO])と消石灰(水酸化カルシウム[Ca(OH)2])があります。生石灰は原料の石灰岩を高温で焼いて製造します。この生石灰を水と反応させると高熱を発して消石灰が出来ます。
石灰岩 CaCO3 ↓ 焼成→CO2 ↑揮発 ↓ 生石灰 CaO ↓ 消化(水和)←H2O 加水 ↓ 消石灰 Ca(OH)2 |
生石灰・消石灰~土佐漆喰・タナクリームの製造過程
石灰の用途は?
生石灰
工業用:樹脂の脱泡剤・乾燥剤、製薬原料等、汚泥の脱水・固化
農業用:ボルドー液等の農薬材料 土木用:軟弱地盤の改良(脱水・固化)
消石灰
工業用:排水処理(酸性廃液の中和、リン・重金属の固定)、焼却炉でのダイオキシン発生防止
農業用:酸性土壌の中和、カルシウムの補給
建設用:壁材(しっくい・たたき等)、セメント原料
食添用:こんにゃく用凝固剤、カルシウム強化剤
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漆喰(しっくい)とは?
「漆喰」って何??
「漆喰」は、長い歴史を持った伝統的な壁材です
消石灰を主原料に、のりや繊維質を添加した壁材のことを「漆喰」と言います。消石灰は、石灰岩から焼成等することにより作られ、二酸化炭素と反応すること(原材料の石灰岩と同じ成分に戻る反応)で硬くなるという性質をもっています。その性質を応用した壁材が「漆喰」です。
遠い昔、シルクロードを通り、中国大陸を経由して、渡来人達によって我国に伝えられた漆喰は、高松塚古墳に見られるように、長年その美しさを失わず、長期間の耐久性に優れたまれにみる建築材料です。
コンクリートなどがなかった時代から、堅牢で耐久性のある建物を建てるために、さかんに漆喰が使われていました。
漆喰の現代的な意義
コンクリートなどの使用により純日本式建築や伝統建築の修復などに活躍の場が限られてきた漆喰壁ですが、近年、環境問題・健康ブームを追い風とした「地球に優しい建築」・「人に優しい建築」が求められ、再度注目を浴び始めています。
漆喰壁は、一度つくり上げれば解体するまで長持ちし、新たなエネルギーの供給をしなくても機能を保ち続ける構造をしており、自然素材で出来ている ため、解体・処分に莫大なエネルギーを必要とせず、解体後も安全で汚染物質を排出しないという、『時代の要請』に合致した建築材料といえましょう。
自然素材としての漆喰の特長
古来より長らく重用されてきた高度な耐久性を誇る漆喰ですが、自然素材であることに由来する多くの特長も持っています。
- 漆喰は湿度を調整し、結露から来るカビやダニを防止します。
- 漆喰には悪臭やホルムアルデヒドなどのVOCを吸着する機能があります。
- 漆喰は静電気を発生させず、ビニールクロスよりもはるかに汚れにくいです。
- 漆喰には有害な物質が含まれておらず、廃棄されても環境に優しい素材です。
- 漆喰はそのアルカリ性で、抗菌作用が長時間持続します。